ナットの状態(チェックのみ)

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注:このページはお客様ご自身での調整をお勧めするものではありません。あくまでお持ちの楽器に何か不具合を感じた時に原因を探る手段の一つとしてお考え下さい。作業には専用の工具を必要とします。内容に作業方法が記されていた場合でも、お客様ご自身で作業を行った際のトラブルに関しましては一切の責任を負い兼ねますので予めご了承下さい。

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 ここでお話する内容は弦高調整ネック調整に関連してきますので、そちらのページも併せてご覧下さい。
 ナットの不具合が原因で生じるトラブルは多くがビビリです。開放時にビビる、音が詰まる等々。これらはナットの溝切りに問題があるので、その確認方法をご紹介したいと思います。

 まず左の写真をご覧下さい。このナットは6弦の溝切りが消耗によって深くなってしまっています。溝の下に指板の位置をけがいてあるので他の弦と比べていただくとよく判ります。
 このような場合はもう交換になってしまいますが、逆に溝切りが高い事も有り、新しいギターでは殆どが高めになっています。消耗して低くなるのを前提に余裕を持たせている訳ですが、度を超えた高さの物もあるので弦高が高い、特にローポジションが、という時にもこのチェック方法は有効です。実際アコースティックギターの弦高調整に於いては、作業に入る前にまずナットの高さを確認してからでないとサドルの適切な高さが決められないので、大事なポイントです。

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STEP 1

 チェック方法には特別な工具は必要ありません。画像ではカポタストを使用していますが、撮影の都合上のもので両手が空いていればOK です。右利きのギターでの説明になりますのでご了承下さい。
 まずどの弦でも構いませんので右手で3フレットを押さえて下さい。診るポイントは1フレットの真上と弦の隙間です。正常なコンディションであれば極僅かですが隙間が空いている筈です。この隙間がどの程度かが問題なのですが、スケールでは測れないので感覚的に覚える事になります。

STEP 2

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 右手で3フレットを押さえたまま、今度は左手で1フレットを押さえたり離したりしてその間隔を動きで確かめます。基本的に溝は1弦から6弦にかけて段々と隙間が広くなっていくように作られてますので、1弦はかなり低めでも大丈夫。逆に6弦は結構高めです。
 この時フレットと弦が既に接触している状態だと溝が深すぎる事を疑います。左手で弦を叩くようにすると弦がフレットに当たる音が聞こえますが、接触している時は音がしません。
 
 

STEP 3

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 以上の段階で即ナットが低いとは言い切れません。次にネックの反りとフレットの浮きを確認します。それぞれのページも併せてご覧下さい
 ネックが反っている場合、反り方によっては先のチェックに影響が出ているかもしれないのでここで確認しておくのが賢明です。例えば2フレット辺りが出っ張っているような反り方もあるのです。またフレットが浮いている場合も考えられますしフレットが高い、低い等とにかく1、2フレットが正常な状態かどうかを確かめます。
 反り、浮き、どちらもスケールを当ててチェックします。適切な画像が撮れなくて申し訳ないですが、要はスケールは真っ直ぐなので弦に添ってスケールを置けば出ている所は当たるし、へこんでいる所には隙間があくのでそこをチェックします。ハイポジション側から1フレットづつズラしながらチェックしていくと良いです。もし何か気になる点が見つかったら、まずはそちらの調整が先になります。

 ネックの状態が正常であれば、チェック時に1フレットに当たった弦のナットの溝は深いという事になります。交換です。ただ、弦高が高めのギターでは音に異常が出なかったりするので、演奏上不都合を感じないのであればそれはそれで良しです。
 反対に隙間が広くてローポジションでのハイコードが押さえにくい場合は、ナットの溝切りを深くする事で幾分楽になります。ただし、ナットの寿命は縮まるのでその点は予め承知の上でという事になりますが。

 以上、ナットのチェック方法を紹介してみましたが、自分で溝をイジるのはかなりリスクが伴うのでプロにまかせるのが無難です。右の画像は正常なナット(3カポ状態)ですが、このコンマ幾つの世界ですからちょっとの加減で深くなりすぎたりします。くれぐれもナットをイジるのはやめましょう。

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オマケ

 ちょっとスゴイ状態のナットを紹介しましょう。溝切りが広くて弦の座りが悪く開放時にシーシーと異音がしてしまいます。
 特に2弦がひどかったので、方眼紙を貼ってどのくらい弦がズレるかをみてみました。チョーキングすると支点がどこになってるかが判ります。本来支点は指板寄りの角にある筈が、ヘッド寄りになってしまってます。
 ここで弦とナットの溝が当たって異音が発生するのです。当然これは交換です。

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